来秋消費税増税に伴う介護報酬改定について②

 毎年ケアプラン作成費用の自己負担導入についての議論がなされていたが、今年の介護報酬改定直後よりさらに議論がなされ、来年には本格化していく見通しである。私は今年の改定直後の動きを見ており、今回は政府も本腰を入れて導入していくという姿勢が見られたので、ある程度予想通りの展開ではある。

 そもそもケアプランとは?簡単に言うと要介護認定を受けている方の現状把握・課題抽出・分析を行い、その問題解決やその方の望む生活を自己実現する為の計画作成のことを言う。主に解決に用いる資源としては、介護保険サービスになるが、いわゆるインフォーマルサービス(公的機関や専門職による制度に基づいたサービスや支援以外のことを指す)と言われる社会資源も活用して、問題解決を図っていく。このケアプラン作成を担うのがケアマネジャーと言われる職種である(職種の説明は割愛 webにて検索を(^^))。

現状ではこのケアプラン作成費用は全額保険者からの報酬(税金)から賄われており、利用者からの直接負担はない。要介護1の方で介護保険サービスの利用実績が1回でもあれば、おおよそ月1万円の報酬が頂ける。法令ではケアマネジャーに必ずやらないといけない過程があり、それはアセスメント(課題抽出・分析)⇒ケアプラン原案の作成⇒サービス担当者会議の開催と招集調整(本人・家族・主治医・介護保険サービス事業所・その他関係機関が参加しての会議)⇒実行⇒モニタリング⇒再アセスメントからの再計画というサイクルで回っていく(情報整理や関係機関との調整、書類作成などが多い💦)。

例えば要介護1で週2回のデイサービスのみ利用されており、病状も安定し、特にサービスや環境等にてこ入れが必要ない方でも、必ず月1回は自宅訪問し、現状把握や介護保険サービスの利用状況を確認し、来月の予定などを取り決め、書類へ捺印して頂く。利用者側からすると、特に問題ないのになんで毎月訪問するの??と思われる方も少なくないかと思われるが、これは法令で定めらていることで、上記のモニタリングにあたる(必要であればアセスメントを行い再計画や再調整をしていく)。現状であれば、利用者からのお金の支払いは一切ないので特に気にされない方も多かったが、もしケアプラン作成費用の自己負担が導入されるとどうなると思うか?

自分に置き換えると、最低月1回訪問し、世間話をし、書類へハンコを押すことで毎月1000円(自己負担1割の場合)を支払うと考えるとこれで1000円!?高い!と考えるかもしれない。しかし、それは表側の側面で、実際には会話の中でアセスメントを行い、精神面の変化や自宅訪問した際に環境面に変化がないか、介護保険サービスが適正に行われているかや事業所の対応が良いか?利用者が気を遣って言わないといけないことも飲み込んでいるのではないか?家族からの意見も聞き、総合的に判断していく、将来を予測し今からできる準備(金銭管理や成年後見制度、緊急時の対応方法など)…などなど細かいところに配慮しているのが現状である。

担当ケアマネジャーがいるもっとも高い価値としては状態変化時、つまり緊急時などに頼りになる一人の存在になるということが挙げられる。情報の集約先がケアマネジャーでその情報を基に分析し、よりベストな解決策をスピーディーに選択し、実行していく能力が求められる。また介護保険内では対応が難しいことも多々あり、その際に業務的に一番自由度が高く、動けるのもケアマネジャーである(緊急時のみ)。そう考えると、先程の月1000円が安いか高いか?生命保険と同じで、何かあった時の『お守り』と捉えればまた見方も変わると思う。ケアマネジャーの仕事がわかりにくく、どのようなことをして、どのようなメリットがあるか?ということがきちんと利用者に伝わっていないことも事実である。

 とくし丸のお客様も介護保険を利用されている方もおられれば、予備軍の方もおられる。情報難民の高齢者は多く、こういった情報や地域の相談窓口・サービス事業所の情報などを地域の高齢者へ還元できるよう元ケアマネジャーとして今後も周知活動に取り組んでいく。

引用元:https://articles.joint-kaigo.com/article-9/pg100.html

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