開業までのその7

【中野地域開拓】

 約3000件~4000件の戸建ての家、1軒1軒訪問し「お買い物でお困りごとはないですか?」と需要調査を行っていきます。そのほとんどは留守か必要ないと仰られるお宅さんばかりで、100軒訪問して1軒来てほしいと言われれば良い方です。

 最初に需要調査を行った地域が「中野地域」です。そもそもこの地域から買い物支援の相談があがり、今回のとくし丸事業開始に至るきっかけとなった地域です。ですから、地域からのウエルカム感がすごく、また各町会長さんや婦人部長さん、地域コーディネーターさんらが協力的で、自主的に宣伝もして頂けましたので正直やりやすかったです。何か新しいことをするとなると、やはり反発はつきものです。しかし、中野地域においては話しを聞けば聞くほど、本当に買い物に困られている現状が伝わり、切に願っておられることが分かりました。その分期待も大きく、何とか成功しないといけないと気を引き締めたことは今でも覚えております。

そんな中野地域ですので、開拓も順調に進み、最高1日に〇が7軒取れたこともあり、開拓作業は苦ではなかったです。地域をじっくり歩いて回ると、普段自転車で通っていても気が付かない家や場所が多く存在し、「えっこんなとこに家あんの⁉」と何度も社協さんと驚いたことがありました。裏返せば、もし災害時の時などこういう家を見逃してしまう可能性もあったり、火事などが起きた場合の避難が困難な場所などが多くあり、地域課題の把握にもなりました。

 中野地域も高齢独居世帯や夫婦世帯が多く、普段の買い物は近くのコンビニにですませている方々が多いことに驚きました。自転車が乗れなくなると一番近くのスーパーまでも行くことができない方々がほとんどでした。頼れるのは家族か介護保険のヘルパーサービス、近所の方の善意などです。どれも本人にとっては気を遣うことで、とくし丸を利用したいと言って下さった方は「自分の目で見て、選びたい!」「家族でも自分の感覚と違うので、買ってきた物に対して100%納得するということはない」と仰られていました。そういう意味では買い物支援の選択肢が増えて、本当に欲しい物を自分の意思で決定(自己決定)できるという、介護保険の自立支援にも似た支援が可能です。ただ物を買うだけではなく、プラスアルファ“買い物の楽しみ・自分で出来ている″を感じられる⇒自己効力感が得られる⇒意欲が向上⇒活動が増える⇒その他社会参加の増加というリハビリのサイクルにも似た効果が得られることに気づきました。

中野地域での開拓では全体の約2/3程度の〇を獲得することができ、困っている方々に早く開業して美味しいものを届けたいという気持ちになりました。

次回は桜ノ宮地域、南東部エリアの開拓模様をアップしていきます(^^♪

みやこ移動スーパー介護情報局

元ケアマネジャーが大阪市初の移動スーパーとくし丸についての最新情報や都島区の最新医療・介護情報などについて発信致します。

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